Leanで進めるはずが、何故か途中で崩壊する話

このエントリーの対象について

グロースハックスタジオ広岡です。

最初にこのエントリーの対象について触れさせてください。

もしご自身が事業オーナーで「自分の考えを中心に思いつきで事業開発をしたい」のであればこのままクローズしてください。もし「自分の考えを中心にチームで事業開発をしたい」のであれば是非ご一読を頂ければと思います。

もしご自身が投資家管掌役で「自分の考えを中心に事業を開発させたい」のであればこのままクローズしてください。もし「事業オーナーの考えを中心に事業開発させたい」のであれば是非ご一読を頂ければと思います。

 

はじめに

一般にLeanに対する理解としては、「無駄を排除する為に短時間でOODAループを回しながらサービスをマーケットにフィットをさせていく手法」かと思いますが、これを実際に実行するためには「得られた学びは必ず何かにフィードバックを回す事を”絶対的指針”にする」ということが必要になります。

言葉で書くとシンプルなのですが、この「”絶対的指針”の維持」こそが実は最も難しいことといことを、少し考察してみたいと思います。

 

企業活動はハレーションを起こしやすいという事実

まず考えるべきは企業の本質です。

企業というのは顧客の価値要求に答えるだけではなく、株主の株価要求にも答えています。

 

 

問題はこの株価というのは基本利益に紐づく形で反応しますので、途中の成果に関わらず、最終結果で決まります。

それに対して事業開発はどのやり方をとるにせよ本来プロセスに基いて行わなければなりません。なぜなら未来(何をすれば成果がでるか?)は誰にも分からないからです。よって事業開発は「途中の成果」で評価することになります。その中でもLeanは特に「最終結果主義」が原理原則になります。

纏めると、事業開発は本来色々な成果地点で計測していく必要があるにも関わらず、最後は最終結果で判断されてしまうという矛盾に陥るわけです。

この最終結果主義的思想が”絶対的指針”の維持を邪魔します

最終結果にコミットする側からすれば計画の修正というのはコミットした結果の修正に値する行為になりますので、最終結果主義的には評価されづらい。まして企業の取締役(マネジメント層)というのは2年の委任になりますので、2年後の約束を守るように動かざるを得ないということです。

以前当Blogに「企業内での事業開発は資本政策が崩壊している」旨UPしましたが、この話もこの”絶対的指針”の維持を難しくさせる原因の1つです。

サンクコストをコントロールすることが重要

ここまででご理解頂いた通り、本来事業と経営は見方によっては「水と油」です。既存事業はそこまでの積み上げや保持しているデータから仮説の確度を高めることができるので、比較的結果をコントロールし易いですが、新規事業は仮説の確度を事前に高める術がないので特に水と油になりやすいです。

とは言え、この水と油の関係をなんとか乗り越えていかないと、せっかく事業を進めて学び得て仮説の確度が上がってきたとしても、ハレーションが起き、事業進捗が止まってしまいます。

そんなこと全てのステークホルダーは望んではいません。

 

このハレーションを防ぐにはとにかくサンクコストを出来る限り貯めないことです。

Leanの文脈に出てくる「MVP(Minimun Viable Product)作ってほげほげ」とか「仮説検証でほげほげ」とかは、本来Less is more精神で成果を最大化するための考えなのですが、これらは当然ながらサンクコストへもプラスの働きをします。

その為には「事業オーナー」と「投資家管掌役」の目的意識の共有が極めて重要です。両者は常に事業の目的(Visonやミッション)を共有し、お互いの考えをリスペクトしながら自分の利益ではなく事業の利益の為にお互いが合意を取り続けていかなければなりません。

事業維持には常に「成功への不確実性」と「投資リスク」のバランシングを取ることが求められます。事業だけあれば良いわけではなく、投資があるだけでいいわけではないというのが大前提です。

評価の方法

ここまでで、この”絶対的指針”を維持する難しさを感じて頂けたと思いますが、次に自分達が”絶対的指針”を維持出来ているか?ということについて考えてみます。

分かりやすいのは「仮説が陳腐化していないか?」を考えることです。過去に比べて真の課題をみつけることが難しい現代において、常に上手く行く可能性がある仮説にアップデートされ続けていくことは極めて重要です。今の成長ストーリーに少しでも無理を感じるようあれば、それは”絶対的指針”が維持されていないかもしれません。

また、もう1つの測り方としてチームが事業に熱狂しているかどうかが上げられます。仮説が陳腐化していない状態というのは常に「上手く行くかもしれない何か」を追う形を維持できるので、メンバーも含めてワクワク感がついてまわります。

上手くいってないチームというのは仮説が陳腐化していることに現場は気づいてるいるにも関わらず、変更すべき場所へのフィードバックの意思決定がなされないチームです。

よってチームメンバーのモチベーションをチェックしてみることをおすすめします。

事業オーナーの本質

ここまでLeanに事業開発をすることが、環境論として如何に難しいかを説明してきました。ただ最後に1つどうしても譲れないものがあり、その事について触れたいと思います。

組織の意思決定というのは最後は1人によってなされます。企業においては代表者ですが、事業においては事業オーナーがその役割をしなければなりません。

事業オーナーはチームの先導役です。「事業をどこに導くかを決める事」こそが事業オーナーの仕事です。

そして事業オーナーが立ち寄る島を決めれば、チーム(メンバーも投資家管掌役も)は全員その島に立ち寄ることになります。

しかしチームの中には「そこにはもう何もないことを知ってる人」もいるし、「なぜその島に立ち寄るのか?」が分からない人もいる。だからこそ事業オーナーは「何故そこに立ち寄るのか?」について必死に考えなければならないし、経験から学びを得て正しくフィードバックしなければならないわけです。

これを怠るとチームメンバーは徐々に船を降りていってしまいます。

事業オーナーは「導く先を見つける事」と「思ってた先が違うと認識出来たときにすぐに方向修正する事」を常に繰り返さなければなりません。これこそがLeanのマインドセットであるということだろうと思います。

THURSTERについて

THRUSTER(スラスター)はグロースハックスタジオが研究考案している、Leanに事業開発を継続するためのマネジメント手法です。実行した仮説検証による事業オーナーが抱えるバイアス外し再現性を高めます。

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