企業の中で新規事業開発をする特有の難しさについての考察(イントレプレナーの悩み)

2017年8月28日

こんにちはGHS広岡です。

仕事がら大手企業の新規事業開発をお手伝いすることが多いのですが、企業内で新規事業開発を実施するケース特有の難しさについて本日は考察してみたいと思います。

新規事業開発を進捗させるためにの、「仮説検証の回し方」や「結果から示唆を得てバイアスを外す工程」そのものが難しい事であるのは「企業内での新規事業開発(以下:企業内ケース)」も、「起業しての新規事業開発(以下:起業ケース)」でも変わりありません。

しかし、資金調達(事業継続の予算獲得)という観点で言うと、実は企業内ケースの方が難しいと感じることが多いです。

 

新規事業とは実は撤退との戦い

 

まず、新規事業というのは大きい成功を夢見て活動する反面、実態としては常に「撤退」との戦いでもあります。

初期に設定した事業仮説が巨大な市場にいきなりマーケットフィットし、営業利益を稼げるようになれば、細かい事業課題があったとしても撤退はありません。

しかし、新規事業開発においては、最初に立てた事業仮説がそもそも正しくない(フィットしない)ケースが非常に多く、営業利益で運用できるようになるまでは当然資金は溶けていきます。完全に資金が消えると債務が返済できなくなる(おおよそ撤退が確実になる)ので、そうなる前に必要分の資金獲得に動かなければなりません。

その為には資金の出し手(以下:投資家)に対して、その事業が将来作れる可能性のある事業価値をふまえた事業の現状や今後の見通しを説明し、お互いが合意できる金額を提供してもらうわけですが、実は起業ケースに比べ、企業内ケースの方が資金調達方法の選択肢が少ないのが実態です。

この選択肢の差は事業継続にとって大きな影響を与えるのですが、実際にその場になって経験するまでその差分を理解することは困難です。

 

撤退が決まる時

 

起業ケースの資金調達方法には「借入、助成金、第三者割当増資」といった代表的な方法があります。またどの方法を選ぶにせよその対象となる相手は銀行やベンチャーキャピタル、エンジェル投資家など、常に複数の投資家が存在します。

しかし企業内ケースでは会社から事業継続の予算を獲得する方法のみに限定されてしまいます。そのうえその交渉相手というのは複数は存在せず、上長や部門の管掌役員など1名の投資家に寄りがです。

この状況が何を意味するかというと、起業ケースの場合、事業オーナーに継続の意思があり、資金調達の交渉に応じてくれる相手を見つけその交渉を着地させることができる限り、撤退せずに事業開発し続けられるということになります。一方企業内ケースの場合、事業オーナーの意思より投資家の方が「事業撤退の意思決定」を持っており、それを回避する術が極めて少ないとういことになります。

  • ※起業ケースの場合、この為に資本政策を非常に重要視します。
  • ※企業内ケースの場合、MBO(マネジメントバイアウト)などがその回避方法の1つになるのですが、実際の買取額の観点などから交渉幅は広く取りづらいです。

本来、新規事業というのは事業オーナーを中心とした顧客ファーストな組織である必要がありますが、企業内ケースの場合、この特有の資金調達事情により、起業ケースより投資家からの影響を強く受けて事業開発をしないといけない要素が根本的に存在します。

これが企業内ケースにおける特有の難しさになります。

 

事業オーナーは事業状態の透明性の担保が必須

 

ここまで説明してきた通り、新規事業開発は企業内ケースにせよ、起業ケースにせよ、営業利益がきちんと出せる状態になるまでは投資家に資金を提供してもらわなければ続きません。そして局面によっては起業ケースより企業内ケースの方がこの資金調達が難しくなる時もあるわけです。

そもそも投資家が資金を提供してくれるということは、事業オーナーのやる気やその事業仮説の可能性を信じて成功に対する不確実性のリスクを投資家が背負ってくれるということです。極端に言えばROIといった投資対効果の計算だけで成立する世界感ではありません。「どの程度の不確実性なら背負えるか?」というのは投資家個人の考え方や環境に多く依存しており、標準化はともて難しいところです。

そのため、事業オーナーは、事業成長に対してベストを尽くすことと、事業の状態に対する透明性を担保することが重要な責務になります。

  • 自分達が行っている事業開発の価値
  • その価値はどいういう外部条件が整うと市場に受け入れられるか
  • 現状理解できている事業の詳細

このようなことを1つ1つ丁寧に言語化していき、事業オーナー側も投資家側も常に同じ情報をもって議論できるようにしていく必要があります。

もし投資家と上手く議論が噛み合ってない事業オーナーの方いらっしゃったら、是非とも事業の透明性の見直しをしてみてはいかがでしょうか?

 

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