事業開発で陥りやすい事業オーナーと事業マネージャーの責務の誤解

2017年7月19日

こんにちは、GHSの手塚です。

事業開発を進めていく中で『部下に依頼したタスクがなかなか進まない。』『期待していたものが上がってこない』という問題に直面した経験はありませんか?

これらは、事業開発のチームマネジメントが破綻しているため生じている問題です。この記事では、事業開発のチームマネジメントに必要なチームの責務と役割について解説したいと思います。

事業開発チームに必要な責務と役割

事業開発は、「誰の、どんな課題を、どうやって解決し、どう儲けるのか」の最適な組み合わせを見つけ、拡大させることが必要です。特に新規事業開発の場合、数多ある組み合わせをすぐに見つけることは困難なため、チーム一丸となってPDCAを最速で回し、顧客の課題を正しく認識し、確度の高い事業仮説を設定することが必要となります。

この顧客の課題を正しく理解していないと実行するPlanの優先順位の精度が低くなり、タスク行っているにもかかわらず、成果が出にくいといった状態になります。

チームで効率よくPDCAを進捗させるためには、責務と役割が明確化された体制を構築し、メンバーがそれぞれの責務を理解している必要があります。チームの責務と役割は以下の通りです。

役割名
責務
説明
投資家
(I)
・打ち手への投資の決定
・事業外にある課題の解決
・事業オーナーの権限を超える投資の意思決定(主に金額面)
・事業より外にボトルネックがある場合、その解決を担当する(組織や予算獲得など)
事業オーナー
(PO)
・事業仮説の立案
・顧客の課題の理解と言語化
・課題の立案と理解
・打ち手の決定
・課題・仮説・プランの優先順位をつけ意思決定すること
・マーケットと事業に最も精通していること
事業マネージャー
(PM)
・マネジメントの保全
・課題・仮説・Planの保全
・外部視点の担保
・定量定性モニタリングの環境の維持と運用
・MTGのファシリテーション
・オーナーの壁打ち相手をし、事業オーナーの感じている課題の背景を言語化
データマネージャー(DM)
・データ収集・管理設計
・データの保全
・データ収集(トラッキング)、データ管理(コレクション)〜モニタリングの構築・維持
データアナリスト
(DA)
・データ抽出・分析
・Plan KPIデータ抽出・分析
・仮説検討のためのデータ抽出・分析
ディレクター(D)
・プランの実行管理
・プランの詳細設計〜データ確認〜振り返りの主体で、進行管理を行う
メンバー(M)
・タスクの実行
・広告代理店やデザイン会社などもここに含まれる

 

もちろん責務・役割を兼務することが発生する場合もあるかと思います。その場合でも、各メンバーの責務だけでも明確化するようにしましょう。役割名は、会社によって言葉の定義が異なるためそこまで重要視する必要はありません。

投資家とは?

投資家は、その事業の管掌役として事業外の障壁(例えば、予算獲得などのボトルネックなど)の解決が主な役割になります。そして事業オーナーの決裁権限を超える投資の意思決定を行います。

重要なポイントとしては、投資家は事業オーナーの事業仮説の立案や顧客の課題の理解と言語化、事業マネージャーのチームのマネージメントなどの業務には関与しないことです!

それは、投資家の発言は事業側からすると無視できない発言であり、チーム全体の優先順位に混乱を招きやすいためです。チームが健全に事業を進捗させるためには、たくさんの事業外の障壁との調整が必要です。そのため、投資家は事業外の障壁を払拭するために努めましょう。

事業オーナーと事業マネージャーの違いとは?

ここで「事業オーナーと事業マネージャーを兼務してはだめなんですか?」と考える方も多いのではないでしょうか?確かに一般的に事業オーナーと事業マネージャーを兼任している場合があります。

事業オーナー(PO)と事業マネージャー(PM)を兼務する場合の責務とそのリスクを下記の表にまとめました。

役割名
責務
リスク
事業オーナー
(PO)兼
事業マネージャー
(PM)
・事業仮説の立案
・顧客の課題の理解と言語化
・課題の立案と理解
・打ち手の決定
・マネジメントの保全
・課題・仮説・Planの保全
・管理作業を持ちすぎると、課題把握するためのリソースが不足し顧客課題が陳腐化する
・課題の背景を言語化できず、チームとの齟齬が生じやすい。
・タスクの進行管理が出来ず、PDCAサイクルが鈍化。
・外部視点の担保が難しい

リスクの中でもっとも注目してほしい点は、「外部視点の担保」になります。それは外部視点の担保ができないと、顧客課題の理解が陳腐化し、その結果事業仮説が誤り、その誤った方向にリソースを投下してしまう可能性が高くなってしまうためです。

また仮説やPlanが十分に言語化されていないのに、何かの実行タスクが発生しやすくなり、メンバーは与えられた仕事をただこなすだけの体制になってしまう可能性も高くなってしまいがちです。

そのため弊社ではこのようなチームの課題も考慮して、現時点で表現として分かりやすい事業オーナーと事業マネージャーという役割を作り、責務を分担することを推奨しています。

役割名
責務
事業オーナー
(PO)
・事業仮説の立案
・顧客の課題の理解と言語化
・課題の立案と理解
・打ち手の決定
事業マネージャー
(PM)
・マネジメントの保全
・課題・仮説・Planの保全
・外部視点の担保

それぞれの責務を簡単に言うと事業オーナー(PO)は「顧客の理解」や「意思決定」、事業マネージャー(PM)は「事業とチーム状態の健全化・維持」になります。

もしも開発体質をウォーターフォールからスクラムに変えたい場合は、事業オーナーと事業マネージャーを分け、さらにメンバーの責務を明確化することが第一歩になるはずです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回の記事では、事業開発で必要なメンバーの責務をご紹介しました。それぞれの責務を明確にすることでチーム内のコミュニケーションロスを最小限にすることができチームのPDCAは最速で回りはじめるでしょう。

弊社では、事業を効率よく健全に進捗させるための方法としてTHRUSTER(スラスター)を考案し、言語化しています。今回ご紹介した内容はそんな言語化されたTHRUSTER(スラスター)の一部となっています。「責務・役割」の他には「事業ステージ」「会議体」「成果物」が言語化されています。資料は無料で配布していますので、ご興味のある方は、こちらのサイトよりDLしてみてください。

 

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