PDCAサイクルだけで新規事業をやるとカネを捨てる行為になるって話

2017年7月10日

社名がグロースハックスタジオということで、よく「ウチのサービスもグロースハックしたいんです」というご相談を受けます。

だいたいのケースにおいて、新しい広告手法が知りたいといったことや、Webカイゼンの相談が多いのですが、話をよくよく聞いてみると、売上を伸ばしたいとか、KPIを伸ばしたいとか、ざっくりいえば「サービスを成長させたい」、「事業を軌道に乗せたい」というのが本質で、たまたま顕在化している課題が広告だったりという話でした。

GHSは、以前もBlogで公開しましたが当社はそもそもグロースハックという言葉の意味を、広告やWebカイゼンといった局所カイゼン領域のものだということではなく、事業そのものを成長させること、すなわち事業全体のカイゼン行為と捉えています。

そこで、ここ1年近く「どうやると事業は成長するのか」ということにフォーカスして言語化に挑戦していました。


事業が成長するとはどういうことか

実際にサービスが成長するという現象が成立する条件は、Lean関連の書籍等でもよく目にしますが、概ね以下内容に凝縮されるかと思います。
  • 誰かの何かの課題を、
  • 何らかのソリューションなりプロダクトなりで解決でき、
  • 更に、その課題に対する既存の代替品よりスイッチングコストが安ければ
  • ユーザーが乗り換えてくれる。
  • その課題が顕在する見込み客が膨らめば膨らむ程(PMFが拡大)、
  • 市場規模は大きくなり、
  • その中で出てくる競合に勝ち続けることができれば、
  • 長期間に渡りサービスは成長する
この内容を頭で理解できていれば、事業が成長するのかというと全くそうではありません。実際にはこれらの項目における「何らかの正解」を見つける為にチームでPDCAを運用をしていかなければならないわけです。

PDCAサイクルだけでは足りない

そこでGHSはこの運用方法にフォーカスをして言語化を目指しました。

最初に結論を申し上げると、PDCAサイクルだけでは事業開発はできません。なぜならば「一番最初のP(Plan)をどうやって作るのか?」という点が抜けているからです。

これまで様々な事業チームの運用状況を見ていく中で、以下のようなケースを多く実施しているチームが多いことに気づきました。
  • 広告を打ってみるが、顧客を獲得できない、または定着しない。
  • 顧客から要望のあった機能を追加したが、誰も使ってくれない。
実際にこれらのPDCAを言語化して考えてみましたが、選んでる媒体や開発プロセスといった部分で多少の非効率性はある場合もありますが、それが原因で成長しないというよりはそもそも「何に対するP(Plan)を作るのか?」に問題があるケースが見受けられました。

モニタリングでボトルネックをあぶりだす

では、Planとは何を対象に作るべきなのでしょう。

PDCAはそもそも何らかの課題を解決するためのカイゼン行為です。よって「その時に最も事業成長を阻害している最大の課題(ボトルネック)」を解決する為にPDCAを実施するのが最も望ましいということになります。

実はほとんどの課題には「その課題を解決するには、先に解決しておかなければならない別の課題があるケース」が多く存在します。しかし多くのケースにおいて「先に解決しておかなければならない別の課題」の存在に気づかず、現在理解出来ている課題を解決するためのPlanを作ってしまうわけです。

では、どうのようにすれば課題を幅広く捉えることができるでしょうか?

その答えは「モニタリングの幅」にあります。モニタリングとは「事業進捗を把握する為に必要な監視」の事で、モニタリング(監視)によって人は俯瞰的に事業の進捗を理解できることができ、課題を認識できるようになります。

ただ、一般にモニタリングといえば定量で表現される要素、すなわちKPIに注目が及びがちですがそれだけではありません。

(そもそもKPIツリーをMECEに作るのはそれはそれで難しいですが)

実際には「定量では表現できないが、事業の成長に必要な条件要素」というものも存在しています。


例えば、「顧客の課題の理解度」や「そのスイッチングコストの理解度」と言った定性的なものが上げられます。

顧客は不必要なものは利用しませんし、代替品よりもスイッチングコストが高ければやはり使わない。殆どのプロダクトやサービスはこの点を考慮したモニタリングになっていないのです。

事業成長の為のサイクルを作ってみた

実はこの定性要素についてはリーンダイアグラムリーンキャンバスという手法によって概ね定義されております。

実際はこれらを利用すれば定義そのものは実は難しくありません。

後は、これらの手法を幅広く利用して状況を監視し、その時に「最も重要な課題(ボトルネック)」を見つけてそれの解消に動くというサイクルができれば良いということになります。
こここで1つ新しいフレームのご紹介。
OODAループ(ウゥーダループ)というものをご存知でしょうか?
監視(Ovserve)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)の頭文字をとったもので、このプロセスによって健全な意思決定を作るというアメリカ空軍が提唱したものです。最後のActの中にPDCAのPDが含まれている感じです。
まさにモニタリングを重要視したフレームワーク。
これをベースにチームがより事業開発フォーカスできるよう、更に詳細部分まで言語化したものが、↓下のチャートになります。ここまで来ると、ようやくセンスに依存しない事業開発マネジメントというのが現実的になってきます。
GHSの考えた事業開発フレームワーク
いかがでしょか?
状況把握の為の情報には3Cという要素も含んでいます。この中にはマクロ環境を判断するためのPESTや、自社特有の組織的な要素などもと含んでいると考えて頂いて構いません。
最初の結論でご説明した通り、これらの状況全体を把握した上で「最初のPの対象」を決めないと、実際に実行するPDCAが無駄に終わってしまうことも大いに考えられるのです。
是非一度「現状のボトルネックが何になるのか?」について考察してみてはいかがでしょうか?
そこに事業進捗のヒントが隠されているかもしれません。
—————————————————————————————
ビジネスの成長スピードを速くする GHSの「ビジネスマネジメントサービス」提供中

ボトルネックの無料事業診断も随時実施中!
毎週事業成長相談会もやってます!