勉強会のまとめ Part 1

2017年7月10日

こんにちは、GHS広岡です。
今回は、先月実施しましたグロースハックスタジオ社主催の勉強会の内容を公開します。
※会場はOne of Them様にお借りしました。ありがとうございました。
登壇者はFilmarksの松山氏とリクルートキャリアの細野氏にお願いし、主にサービスを成長させるヒントになるお話をしていただいたのですが、非常に内容が濃かったのでご本人の許可頂いて公開することにしました。
最初は松山氏から。Filmarksは映画のレビューを共有できるSNSサイトで、レビュー数は750万件以上あり、Mark(映画のレビューを書く)とClip(観たい映画のメモ)の二つの機能がメインです。
映画ファンの方は、是非サービス使ってみてください。

——————————————————————————- 

1.AARRRモデルの活用

AARRRモデルを活用し、ユーザーの行動を分析する

AARRRとはユーザーの行動の変化を大きく五つに分けたものです。ACQUISITION(ユーザー獲得)、Activation(最初のユーザーの利用開始)、RETENTION(継続してもらうこと)、REFERRAL(友達紹介)、Revenue(収益)の五つの言葉の頭文字を取っています。
今、自分たちのサービスがAARRRのどの段階に居るかを把握することで、戦略が立てやすくなります。
ただ、このままの順番で分析すると失敗してしまいます。以下のような順番で行ってください。
1   
Product Market Fit(製品やサービスにニーズがあるか)の調査
2   
Activation(最初のユーザーの利用開始)
3   
RETENTION(継続してもらうこと)
4   
REFERRAL(友達紹介)
5   
Revenue(収益)
6   
ACQUISITION(ユーザー獲得)
これはリーンアナリティクスの本にも書かれている考え方を参考にしています。

2. 自社のサービスは今どの段階に居る?

証拠を挙げながら、自社のサービスが今どのフェーズにいるのかを確認する

次に、この順番にそって考えていくと、Filmarksは今どのフェーズに居るのかを考えてみました。
1   
Product Market Fit(製品やサービスにニーズがあるか)
まず、Filmarksは圧倒的に高いリテンションを維持していました。リピート率は常に40パーセント以上です。これはユーザーに必要とされているという証拠だと言えます。
次にユーザーの滞在時間は、平均で約1時間ありました。これもサービスを楽しんでいるという証拠と考えられます。最後にサービスが一時停止したときの話です。サービスを再開させるとすぐにアクセスが元通りに回復しています。これもユーザーがそのサービスを待ち望んでいたという証拠なると考えました。以上の3点から、FilmarksはProduct Market Fit(製品やサービスにニーズがあるか)をクリアしていると考えられます。

2   
Activation(最初のユーザーの利用開始)
次にこれを調査するために、ユーザーのClip数を調べ、セグメント分析を行いました。なんとClip数が0の人が圧倒的に多かったんです。それからリテンション分析を行うと、Clipを1件も行っていないユーザーはほとんどリピート利用をしないことが分かりました。

3. うまく機能していないフェーズの判明

どのフェーズでユーザーが止まっているのかを把握し、改善をする


アクティベーションがうまくいっていないということが判明したので、それを改善しなくてはなりません。初めて利用するユーザーにサービスの魅力を知ってもらい、継続して利用してもらうことが必要です。皆さんはTwitterやFacebookに初めて登録したユーザーのアクティブ率を向上させるにはどうすればよいかご存じですか? Twitterでは5~7人のフォロー、Facebookでは7~10人友達ができると、ユーザーのアクティブ率が劇的に向上します。私たちのサービスでもこのようなKPIを見つけることができればよいのではないかと考えました。




4. 改善のためのKPIを発見する

ヘビーユーザーの行動を調査、分析し、どのような行動をしているのか追跡する

結論からいうと、初日Clip率というKPIを発見しました。アプリをダウンロードした初日に1件以上観たい映画をClipした人の割合です。ポイントはどうやってこのKPIを導き出したかということですが、これはストーカー分析を行いました。具体的にはヘビーユーザーの行動履歴を調査したんです。するとヘビーユーザーは登録初日にたくさんのMark、Clipをすることが分かりました。どんなヘビーユーザーも、会員登録と同時にたくさんのアクションをしています。初日のアクションがすごく重要なので、ここをKPIとして置きました。
次に、Filmarksにはアクションが二つあります。初日Clip率と初日Mark率。どちらのアクションをKPIに設定すべきを検討することにし、初日Clip率をKPIに設定しました。

理由としては、Markよりも気軽なアクションであること、Clip後にMarkへ誘導できること、ClipユーザーもMarkユーザーも利用率が高いことの三つが挙げられます。

5. テストを行い、KPIがうまくいっているか確認する

ABテストなどを利用して、KPIを設定した後のユーザーの行動変化を把握する

次に本当に初日Clip率をKPIにしてよかったのかを確認するために、ABテストを実施しました。会員登録した後に「Clipしてみよう」というコメントを出す方法と「Markしてみよう」というコメントを出す方法で比較してみました。そうするとどちらも結果に大差はなかったので、やはり初日Clip数をKPIとして設定することにしました。
その後いろいろと施策を打った結果、半年後には初日Clip率が80パーセントになりました。これは当初の3倍です。また、1週間以内に10Clip以上登録する人の数も増えました。それからMark数も上がりました。ユーザーがサービスを楽しんでいる証拠だと思います。初日ClipをKPIにしたことは正解だったのと理解しています。

6. 目標達成のための流れ

この流れを踏襲すると、どのようなサービスでもグロースハックができる



1   
AARRRのどのフェーズかを確認
2   
そのフェーズで理想的な使い方をしているヘビーユーザーの行動を分析
3   
KPIを設定する
4   
ABテストを繰り返し、数字を上げていく
この流れをなぞることで、いろんなサービスでグロースハックができると考えています。

7. Filmarksの今後の目標

REFERRAL(友達紹介)を増やすことを目標として、分析とテストを繰り返していく   



今はREFERRAL(友達紹介)に力を入れようと考えています。そこで、友達紹介をしている人をTwitterで探し、ストーカー分析をしてみました。すると以下のことが分かりました。

1   
会員登録して間もないユーザーが友達紹介をすること
2   
起動した直後や、Markをした直後に友達紹介をしやすいこと
3   
Mark数が多いこと
4   
すべてではないが、Followerは0の人が多いこと

 これは私の想像なのですが、おそらくFilmarksを知っている人や使っている人が周りにいなくて、寂しいので友達紹介をしているのではないでしょうか。
FilmarksはTwitter連携をしています。自分の言葉でFilmarksのことをTwitterに投稿するよう促すことで、もっと友達紹介の数を増やすことができるのではないかと考えました。ですのでKPIとして、登録して1週間以内の友達紹介率を上げることを設定しました。これから友達紹介率はきっと増えるので、頑張っていこうと思います。

8. 松山氏が今日伝えたかったこと

ストーカー分析はグロースハックに欠かせない

 本日僕がお伝えしたかったのは『グロースハッカーはストーカーたれ』ということです。グロースハックにとってKPI分析はとても有効です。一番重要なのは行動につながるようなKPIを見つけることです。サービスの改善ポイントを見つけて、次から次に改良していくことも大切です。そのポイントを見つけるためには、個々のユーザーの行動を追跡する必要があります。よって、KPIを見つけるためにはストーカー分析がすごく有効な手段のひとつなのです。きっと効果があると思うので、ぜひストーカー分析をやってみてください。
【松山岳史】
慶応義塾大学大学院でプログラミングを学んだ後、2011年に株式会社リクルートに入社。エンジニア・ディレクターとして経験を積む。2014年株式会社つみきに入社、Filmarks事業担当執行役員として活躍中。
——————————————————————————- 

ストーカー分析のお問い合わせはグロースハックスタジオまでw
info@ghs.tokyo